足立区立弥生小学校
   
   
 
ことばときこえの教室

  通級児童への学級での配慮  
 

在籍学級担任の先生方にご配慮いただきたいことをご紹介します。
 
  全体的な配慮
  発音に誤りのある子への配慮
  ことばの発達に遅れのある子への配慮
  吃音のある子への配慮
  難聴の子への配慮


全体的な配慮
 通級児童の課題について、学級の子どもたちが理解できるようお話しください。本人が恥ずかしい思いをしたり、からかわれたりすることのないようご配慮をよろしくお願いします。
 通級に伴う授業抜けや、教室の出入りについては、本人の負担にならないよう学級全体の子どもたちへのご配慮をお願いします。

  「いってらっしゃい」「おかえりなさい」等のことばかけが、学級全体で気持ちよくできるようにお願いします。
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発音に誤りのある子への配慮
≪言い直しはさせず、正しいお手本を示してください≫
 例えば 「サ行音」 が 「チャ行音」 になってしまう子は、本人は一生懸命 「サ・シ・ス・セ・ソ」 と言おうとしても、「チャ・チ・チュ・チェ・チョ」 になってしまいます。
  その段階では、 いくら正しく言おうとがんばっても、間違った発音しかできません。そのような時は、言い直しをさせるのではなく、正しい発音でことばを返し、正しい音のイメージを育てるようにしましょう。
 
     
≪正しい発音ができるようになるためには、順を追った指導が必要となります≫
@   正しい音と間違っている音を、聞き分けることができること。
A   正しい音を作るために必要な、口や舌等の細かな動きも十分にできること。
B   まず一音で正しく発音できること。
C   単語の中でも正しく発音できること。(語頭・語尾・語中)
D   文の音読の中でも正しく発音できること。
E   話しことばの中でも正しく発音できること。

 発音の改善までには、概ねこのようなステップが必要となります。最終的な発音の改善まで、気長に見守ってください。

 
≪たくさんおしゃべりがしたくなるように、話をよく聞いてください≫
発音の誤りなど気にせず、気軽に話せる雰囲気作りをお願いします。
間違った発音で話しかけてきても、発音に注意を向けるのではなく、その話の中身や、言いたい気持ちをくみ取るようにしてください。
発音を気にして話すことを避けてしまわないように、本人には自信をつけ、話すことの楽しさを味わわせるようにしてください。
そのためには、周りの子どもたちが、からかったり、ひやかしたり、まねしたりしないようにご配慮をお願いします。
授業中の指名等は、飛ばしたりせず、他の子と同じように行ってください。
たとえ間違った発音をしていても、大きな声で元気よくたくさんおしゃべりすることは、口や舌の動きを高め、発音を改善するための近道になります。
発音がよくなったり、わかりやすくなったりした時には、ぜひほめてください。
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ことばの発達に遅れのある子への配慮
≪子どもの話に耳を傾けてください≫
本人がうまく話せないときでも、話は最後までしっかり聞いてください。そして、話したい気持ちを受け止めてください。
うまく話が伝わらないときには、「こう思ったのかな?」等、先生がその子の気持ちを代弁したり、正しく言い直したりする等、ことばのお手本を示してください。
≪先生の方からも、なるべく話しかけを多くしてください≫

毎日の学校生活の中で、その子とおしゃべりする機会をできるだけ多く設けるよう心がけてください。
行事等のいろいろな経験は、子どものことばを豊かにします。機会を逃さず、たくさん話しかけてください。
その子に合わせたことばで話しかけてください。ゆっくりと、その子に応じたわかりやすいことばで、文は短めに話してください。
≪良いところを認め、自信をもてるようにしてください≫

その子の良いところをたくさん見つけてください。学級全体の前でも認められるような長所については、ぜひ、積極的にほめてください。
★クラス全体の中で認められる場面
★その子ならではの力を発揮できる場面
等をなるべく多く作るようにしてください。
クラスの中での存在感(その子の居場所)が、その子なりにもてるようにし、自信をもって取り組めるように、ご配慮をお願いします。
≪友だち関係がスムーズにいくようにご配慮をお願いします≫
友だちとうまく遊べなかったり、すぐにトラブルを起こしてしまったり、子どもたち同士でうまく気持ちが伝わらないような時には、その子の気持ちを代弁する等、その時々に必要な援助をお願いします。
グループでの学習や、班活動、係活動の際には、その子が、グループの中にうまくとけこめるような声かけ等のご配慮をお願いします。
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吃音のある子への配慮
≪話をよく聞いてください≫
吃音を気にせず、気軽に話せる雰囲気作りをお願いします。そのためには、吃音をからかったり、ひやかしたり、まねしたりすることのないように、ご指導をお願いします。
担任の先生が、その子にとって、話しやすい人になってください。
     
≪ことば自体への注意はせず、気持ちを受け止めてください≫

つかえながら話しているときは、あいづちをいれながら、最後までしっかり話を聞いてください。そして、その時の気持ちを受け止めてください。
「ゆっくり話してごらん」
「もう一度、落ち着いて話しなさい」
等のことばかけは、避けてください。
自分のことばに必要以上に関心を向ける結果となり、吃音が悪化することがあります。
     
≪吃音といっても、いろいろなタイプがあります≫
吃音のタイプ
  一般的には、Aのタイプが症状としては最も軽く、
Dのタイプのように身体の動きを伴うものが重いとされています。
     
≪音読は、こんな条件のとき楽に読めるようです≫
  ★ 二人以上の人数で一緒に読むとき
  ★ そばで小声で一緒に読んでくれる人がいるとき
  ★ 読みなれた文章を読むとき
 音読でつかえてしまって読めなくなったようなときは、先生が隣で小声で一緒に読んでみたり、隣の席の子と同時に読ませたり等、工夫してみてください。
 どのようにすると読みやすくなるかは、その子によって違います。どうすれば気楽に読めるかを、その子と話し合ってみてください。
   
≪ Q. 指名等、発言を求めてもよいのでしょうか?≫

 指名のされ方や発言に関しての思いは、その子によって様々です。
音読が苦手な子、得意な子
自分の意見を言うのが得意な子、苦手な子
急に指名された方がよい子
順番に指されて、自分の番が予測できる方が安心できる子
みんなの前では絶対に話したくない子
つっかえても、何でも、いっぱい話したい子    等
 したがって、どのような状態だと安心して音読したり、発言したりしやすくなるのかを、日頃からその子とよく話し合ってください。
     
≪ Q. 発言の途中でつかえてしまったようなときは、            
                              どうすればいいでしょうか?≫
  この場合も、上記の指名・発言と同じように、どうしてほしいかは、その子によって違います。したがって、そんな時はどうしてほしいかについて、日頃から話し合っておくとよいでしょう。
どの場合も、つかえてしまったり、音をくり返してしまったりしたとき、周りが 「早く言えよ」「 いやになっちゃうよ」「どうしたの?変だぞ」 というようなことばかけをして、その子を不安な気持ちにさせるようなことがないようにご指導をお願いします。
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難聴の子への配慮
≪口をはっきり開けて話してください≫  
難聴児は声だけでなく、唇の動きを補助として話を理解します。
(これを読話と言います)
口元を見せ、口をはっきりと開け、こころもちゆっくりめに話してください。
声を大きくしすぎたり、一音一音を区切って話すと、かえって意味がとりにくくなります。
文は短めに、その子に応じたわかりやすいことばで話しかけてください。
話が通じにくい時は、表現を変えたり、筆談するのも一つの方法です。伝わらないからとあきらめずに、最後までしっかりと伝えてください。
★ 大事なことは、復唱させて確認してください。
≪何度でもわかるまで聞いてあげてください≫

聞こえにくい分、発音も不明瞭になります。
たとえわかりにくい発音でも、最後までしっかり聞いてください。
通じないとあきらめずに、何度でも聞き返し、必要なら書かせてください。
     
≪授業でのご配慮をお願いします≫
大事なポイント、新しいことば、わかりにくいことば等は、板書してください。
話すときは、口元が見えるようにしてください。板書しながら(背を向けて)の話しかけや、机間指導しながらの話しかけは避けてください。
座席位置は、他の子の様子を見ることも必要なので、1番前よりは、前から2〜3番目の中央付近が、より良い位置となります。
≪補聴器を装用しても、明瞭に聞こえるわけではありません≫
補聴器を装用しても、他の子どもたちと全く同じように聞こえるわけではありません。
補聴器は、聞こえない音を電気の力で大きくして聞こえるようにする機械です。したがって補聴器は、先生や友達の声ばかりでなく、周囲の騒音も大きくしてしまいます。その中から、必要な音だけを聞き分けることは、とても難しいことなのです。
補聴器を装用しても、どうしても聞こえにくい音があったり、音が全体的にひずんで聞こえたりします。そのため、話の中で聞き落としや聞き違いをすることもあります。
補聴器のそばで、わざと大きな声を出す、補聴器にボールがぶつかる等のないように、ご注意をお願いします。
     
≪友だち関係でも、ご配慮をお願いします≫
何気ないやりとりやつぶやきが聞こえにくいため、他の子は当然のこととしてわかっていることがわかっていなかったり、勘違いしていることがよくあります。
そのため、ルールを無視するわがままな子とか、自分勝手に動いてしまう子と受け取られてしまうことがあります。 また、トラブルを避けるために、逆に自分の意見をなかなか言わない消極的な子になってしまうこともあります。
どちらの場合も、周りのちょっとした配慮で改善できますので、きちんと伝わっているかどうかの確認をよろしくお願いします。
グループでの話し合いも、他の子たちの話がきちんと聞こえていないことが多いので、その子にわかるように話し合いを進めるよう、声かけをお願いします。

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