平成22年度
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 校長 笹子隆雄

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h22.10.16

良き伝統・校風を生かし、
          新しい風を

-良い学校とは?-

 9月28日(火)、生徒会役員選出がありました。立候補者した生徒の皆さんは、立会演説に先立ち、朝の登校時や昼休みをつかい、生徒会に対する思いや考えを訴え、「良い学校」を、切々と語ってくれました。立会演説会当日も「ボランティアをもっと活発にしていきたい。」「新しい行事を設けていきたい。」「きれいな学校をつくっていきたい。」等々。訴え方も、皆、大変堂々とした姿でした。そして、「良い学校」を一人一人の言葉で語ってくれました。
 立候補した生徒は、「自分たちの力でこの西新井中学校をさらに良い学校にしていきたい」という思いや考えをもち、学級や学年の仲間や、先生方から推薦やアドバイスを受け、そして、立候補することになったと思います。西新井中学校の役に立ちたい。人の役に立たい。このような広い視野、意欲的な考え方は、これから人として生きていくうえでとても大切なことです。どうしても「自分が第一」の考えをもってしまうのは、人の常なのかもしれません。しかし、それでは本当の「幸福」を感じることにはならないのではないでしょうか。本当に幸せをもとめるならば、周りの人の幸せを、家族の、学校の、そして世界の幸せを願わなければならないと、私は考えています。立会演説会では「人のために役に立ちたい。」「学校のために役に立ちたい。」という意欲のある言葉がたくさん聞くことができました。このような生徒が、大勢いること自体が「良い学校」なのだと考えます。

 この度、選ばれた第36代生徒会役員の皆さんも、きっと全校生徒の力を結集し、先輩が築いてきた良い伝統、校風を生かし、また新しい風を吹き込んでくれるものと思います。

 最後に、この前期をもって役員を退くことになった第35代の役員の皆さん、本当にご苦労様でした。各種行事の運営で汗を流し、頑張った皆さんの姿は、立派でした。

 10月12日(火)に、新生徒会役員として初めて呼びかけた「フラワーボランティア」には、約80名の生徒が参加をしていました。「人のために~」は、役員という特別の人だけの話ではなく、西中では多くの生徒が、人のお役に立ちたい、と考えているものだと考えています。
第36代生徒会役員が選出されました。1年間、よろしくお願いします。


h22.8.26

学級、学校が一つになる
-木組みは人の心組み-

 今年は例年になく暑い日が続き、ニュースでも水の事故とともに、「熱中症」による事故がたびたび伝えられた夏休みでした。大きな事故や、病気のないことを願っていました。
 私は、この夏休みに皆さんの「キラリと輝く成長」を数多く見ることができました。それは、強化合宿や各種大会にのぞんだ部活動であり、集中して取り組んでいた学習教室であり、暑い中汗を流しながら参加したボランティア活動です。自信と誇りを自覚し、次の一歩を歩む契機にして欲しいと思います。
 これからの時期は、学校生活の中で最も充実する時期。一人一人の持ち味を存分に伸ばし、そのことをとおし、学級や学校への意識を高め、『自慢の学級』『誇れる西中』をつくっていく時期なのです。大事な学校行事がたくさん組み込まれているのは、そのためなのです。

● 9月 生徒会役員選挙そして区連合陸上大会、連合駅伝大会。部活動では、新人戦大会。
●10月 合唱コンクールを中心とした文化祭、本校創立以来伝統の西中マラソン大会。
●11月 区連合音楽会そして、職場体験学習(2年)。
●12月 留学生による国際理解学習(3年)、生徒会交流会(生徒会)。
 まさに、学校や学級が燃えるときであり、学校が一つになるときだと考えます。

 さて私はこの夏休みに、飛騨高山に行ってきました。写真などで見たことがあるかと思いますが『合掌造り』といわれる家屋を、見学してきました。世界遺産にも指定されています。近くで見ると、写真以上にその迫力に圧倒されます。一定の年限で葺き替える屋根以外は300年以上そのままで、実際に住んでいます。普通、建物は100年が限界といわれます。しかし、『合掌造り』は釘やカスガイという鉄類を一切使っていないので、『法隆寺五重の塔』同様、何百年でも耐えられるのだといわれています。日本の高い建築技術の粋が集められています。
 屋根裏の柱や梁を見ると、なんと木組みと縄で縛っているだけ。その屋根の部分は、柱の上にただ乗っているだけ。しかし最高の安定感をもっています。最上階の4階で屋根裏を見ると、芸術的とも言えるロープワークで、機能美という言葉がピッタリ。30年以上前に葺き替えられたそうですが、つい最近に結び直された様に綺麗で丈夫そうでした。中では夏でも囲炉裏の火を絶やさず、その煙が屋根をいぶすことで、防虫や乾燥にもなり、一層丈夫にするそうです。
 屋根の重量は約40t。豪雪地なので真冬に屋根に積もる雪の重量は60t。合わせると、100tの重量が屋根と柱に架かるそうです。縄で縛ることで余裕(あそび)を持たせないと屋根自体が壊れてしまうそうです。骨格となる柱は、もちろん山から切り出した木なのですが、山の南側に育った木は屋根の南側に、山の北側に育った木は北側に使っているそうです。また、「根曲がりの杉」という曲がっている杉の木を敢えて使っています。重量を分散させるためにその形が適しているそうです。それぞれの木の『持ち味』を生かしているのです。我が国の伝統文化、建築技術の素晴らしさを、あらためて目の当たりにした思いでした。

 さて、皆さんの学級や学校も、同じなのではないでしょうか。一人一人の持ち味を生かし、補い合い、合掌造り同様、100トンの重みにも負けない学級や学校をつくっていきましょう。
 法隆寺、薬師寺を復興した宮大工棟梁の西岡常一さんは、『木組みは人の心組み』と言っておられます。考えてみましょう。


h22.6.25

感心・感動・感謝の拍手を
運動会で「正しさ」「強さ」「安定感」を学ぶ

6月5日(土)、第36回運動会が開催されました。全校生徒が、競技・演技および係活動で大いに活躍する姿を見せてくれました。
 本年度の生徒会活動スローガンは「希望を抱け、勇気を持て、輝け西中魂」です。このとおり、一人一人が練習で鍛えた力、クラスや学年の団結力を発揮した競技・演技を見せてくれました。また、それぞれに与えられた係の仕事に全力で打ち込んだ運動会でもありました。あらゆる場面で見せる皆さんの一生懸命な姿や意気込みに感心し、またクラスや学年が一丸となって運動会を成功させてみせるぞという熱き思いに感動しました。競技や演技をしている生徒と応援する観客が一体となっている姿にも感動しました。こうして、すばらしい運動会を創り上げることができたのは、皆さん一人一人の自覚と努力、仲間の励ましや協力、そしてそれを見守り指導・支援・応援してくれた先生方、保護者・地域の皆様のお陰と感謝しております。
 閉会式での講評では、学年種目、組体操、ダンスを始め、全ての競技に、全力を尽くしていた姿を見ることができたこと、自分の役割に責任が果たし、機敏な気配りができたことを評価し、今後の学級生活、学校生活でも、クラスのために、学校のため、そして人のために働くことの出来る人になろう。このように結ばせていただきました。
 ではあらためて、皆さんは運動会で何を学んだのでしょうか。

●正しいということの大切さ

  運動会というのは、ルールの下で競うもの。正しさがあるから、競えるし、頑張ることができる。学級生活や学校生活も同じです。私達には、正しさや、正義があるから、頑張れるのです。学びましょう。

●強さということの大切さ

  運動会では、何としても負けられないという強い思いがあったと思います。私は、燃えるような感情や思いのことを「強さ」というのだ、と捉えています。組体操・ダンス、学級対抗で、大いにその熱い思い、すなわち「強さ」を見せてくれた。何をするにも、熱い思い、つまり「強さ」が必要。当然、日々の学習も同様です。

●安定しているということの大切さ

  しかし、一時的な感情だけではうまくはいかなかないものです。ずっと思いを持続し、時には我慢をし、友達にも働きかけ始めてできたのではないでしょうか。安定感や我慢がなければ、強さは本当の実績には至りません。安定感や我慢。これを意志というのです。
以上、「正しさ」「強さ」「安定感」を、ぜひ学んで欲しいと思いました。
 最後に、このすばらしい運動会を創り上げてくれた全ての皆さんに、3つの拍手を贈ります。1つめの拍手は、気合い十分!力を出し切った全校生徒の皆さんを讃え、心を込めて贈ります。2つめの拍手は、練習を見守り、指導してくださった先生方、運動会の運営に全力を尽くしてくれた生徒会本部役員、各係の生徒の皆さんに贈ります。万全を期した準備と進行、ご苦労様でした。3つめの拍手は、心温まる応援をしてくださった来賓の方々や保護者・地域の皆様に感謝の気持ちを込めて贈ります。ご支援ご協力、本当にありがとうございました。

h22.5.17
「自分の時間」と「みんなの時間」
                       「時は金なり」とは…

 最近の朝の登校の様子が少し変わってきたようです。予鈴過ぎに駆け込んでくる生徒はまだいるようですが、本鈴間近に登校する生徒がほとんど見られなくなったということです。ゆとりを持った登校になりつつあるようです。良いことです。

 先週は、生活委員会による「授業遅刻ゼロコンクール」もありました。各授業の始業時刻を守るための取り組みです。各階では。毎時間のチャイムがなるととたんに走り出し、自分の席に駆け込んでいく様子が見られました。できることなら、走らずに間に合うようにしたいものです。もちろん、時刻にあった授業開始が目的ですから、教室を離れる前に、授業の用意を机にそろえてから、休み時間にしなければなりません。

 さて、時間について考えてみたいと思います。すべての人に平等に与えられているもの、それは「時間」です。日本でもアメリカでも、1日は24時間。お年寄りも中学生も赤ちゃんも、みんな24時間です。どんなお金持ちであっても、1日24時間以上の時間を手に入れることはできません。この、みんなに等しく与えられている時間をどのように使うのかが問題になります。だらだらと過ごしているとあっという間の1日ですが、集中して取り組むと勉強や仕事がはかどって、後の時間はゆったりと自由に過ごせ、1日が長く感じられるのです。皆さんも、十分経験していることと思います。1日24時間の中身をどのようなものにするかは、私たち一人一人に任されているのです。この1日1日の積み重ねが1週間となり、一か月となり、それはやがで一年になり、それが自分の人生になっていくのです。自分に与えられた時間を有意義に生かしていかなければなりません。
 以上は「自分の時間」のこと。時間には、もうひとつ「みんなの時間」というものがあります。先週の「授業遅刻ゼロコンクール」も「みんなの時間」を意識させる取り組みです。1人が授業に1分間遅れるとします。それは、学級の生徒全員の時間をうばうことになるのです。40人分で合計すれば40分を無駄にすることになります。学校は大勢の人が一緒に時間を使うところです。集合する時に5分遅れれば、みんなの時間を5分ずつ無駄にしていることになります。忘れ物をして先生に注意されている時間、授業中におしゃべりをして周りの人に迷惑をかけた時間は、みんなの時間を奪っていることになります。「時間どろぼう」になってはいけません。まさに「時は金なり」という格言はこのことを指しているのです。

 「自分の時間」を大切にすることはもちろんのこと、「みんなの時間」も無駄にしないよう、時刻を守ることの意味を考えてみましょう。

h22.4.13
努力の出来る自分に気付こう!


 新入生の皆さんの入学、2・3年生の進級、おめでとうございます。校庭の桜は、今まさに、満開です。昨年度のフラワーボランティアで植えてくれたデザイン花壇も、玄関の寄せ植えプランターも間もなくの満開を待っているようです。さて年度のはじめです。気持ちを新たに、今年度の目標として次の3つをあげてみたいと思います。

  位置・役割を自覚する  position (ポジション)
  チャンスを生かす    chance (チャンス)
  人のために尽くす   for・others (フォー・アザーズ)


 ポジション。位置とか役割という意味が書かれています。自分の置かれた位置や役割を自覚すると言うことです。まず皆さんは、西新井中学校の生徒という位置にいます。学ぶという立場を自覚しましょう。学校とは学ぶ場。駄目なことは駄目。必要なことは理屈抜きで身につけていかなければなりません。学校は街中とは違うのです。鍛える場として自覚しましょう。
 また、2年生の役割は、学校の要。全体を視野に入れ、1年生から慕われ、模範となる上級生になることが役割。新3年生。今日から目の色を変えて、スタートしていきましょう。役割は自分を伸ばすこと。勉強でも、部活でも、委員会でも、ボランティアでも。位置、役割を自覚していきましょう。
 チャンス。人にはそれぞれ「あの時、こうすれば良かった」等の後悔はあるものです。反省もあると思います。それでもチャンスは今。いつでも、チャンスは「今」なのです。思い立ったときがチャンスなのです。そして「できる」と「やる」では大違い。しっかりと押さえておきましょう。問われているのは、「できるかできないか」ではなく、「やるのかやらないのか」なのです。
 皆さんの成長にとって、最も大切なことはなんだと思いますか。まず、「努力の足りない自分」を見つめて、次はアクション、つまり行動です。そして大切なことは、「努力の出来る自分」に気づく、ということです。その時にはじめて、意欲的な学びの姿勢が芽生えるのです。「努力の出来る自分」の発見なしには、成長はありません。どうぞ気付いてください。
 最後に、人のために尽くす。昨年も、西中ではたくさんのボランティア活動が繰り広げられました。とても素晴らしい心に大きな拍手を送りたいと思います。ボランティア活動以外にも、委員会もそうでしょう。学級の係活動もそうです。誰も見ていないところで、朝早く登校していた生徒が、机を並べ黒板を2度拭き、3度拭きをして友達を待っていました。自分のために、あなたのために、親のために尽くす。友達のために、学級のために、学校の名誉のために尽くすことのできる人になってください。そして将来は社会のために尽くせる人になるのです。人のために尽くせる人になるのです。
 さて、平成22年度が始まりました。一年後に、皆さんが心も体も、大いに成長したといえる一年にしていきましょう。生徒の皆さんにとって、また西新井中学校にとって、本年度も、飛躍の年になりますよう、一緒に頑張っていきましょう。
 年度の初めに際しまして、本年度も、これまでにもましまして、保護者や地域の皆様方の温かいご理解・ご支援をお願い申し上げます。