平成21年度
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h21.2.19
     
  信頼の雪だるまをつくろう
          信頼のキャッチボール


 2月1日は、夕方から東京では珍しい雪が降りました。翌2日の朝は一面の雪景色でした。とてもきれいで心もうきうきするのですが、交通や通行の面で、慣れない私たち都会人には、いささか苦慮することもあります。除雪です。人の通る歩道ではしっかりと除雪しておかないと、滑って大怪我にもつながります。しかし、この2日の朝、とても嬉しいことがありました。
 私は、学校に行ったら、まずは雪かきをしなければ、と思いながら学校にきました。すると、私が出勤した7時30分にはすでに、陸上部の生徒やソフトテニスの生徒をはじめ、50名位の生徒が、学校前の除雪をしていてくれていたのです。その後も、生徒が増えてくれたのですが、とても嬉しく思いました。勿論、先生からの呼びかけもあったでしょうし、たまたま、朝練習で来ていた生徒ではあったでしょう。そんなことは問題ではないのです。多くの生徒が間違いなく、人に喜んで貰う仕事が好きなんだ、ということなのです。主事さんから、竹ぼうきや雪かきシャベルを借り、ベニヤ板をスコップ代わりにして、嬉嬉として作業をしていました。
 別の話です。先日、吹奏楽部が日頃より指導を受けている楽団の演奏会に行き、帰る時のことです。部員に一声かけたら、お客さんが全て帰ったあとのフロアの座席を全て上げ、ゴミ拾いをしてくれていました。また、年末の最終日のことです。防火上の配慮から、校舎裏の倉庫のモップを片付ける必要があったのですが、バレー部の生徒が実に気持ちよく片付けてくれました。生徒会本部はもとよりその他の部でも、大量の校具を片付けてくれた野球部、いつもボランティアでは先頭になってくれるバスケットボール部、保護者説明会後の実に手際良い撤収作業を見せてくれたバドミントン部、また委員会や各係活動でも同様です。皆さんは先生から仕事を頼まれることが多いのですが、実に気持ちよく応えてくれています。
 頼まれることが好きで、嬉しいのです。たまに言葉のうえだけとは思いますが「えーっ」という言葉に出会うことがあります。しかし、気持ちはあるはずです。気持ちよく応えてほしいと思います。
 人は、頼られたり頼まれたりし、それに応えることで、信頼関係が生まれるのです。これを信頼のキャッチボールというのです。「お願い」とか、「指導・指示」というボールが皆さんに投げられたら、「行為で応える」、というキャッチボールです。このキャッチボールを繰り返すことで、人は信頼関係を築くのです。
 今回は、雪にちなんだ話で、もう一つ。信頼の雪だるまという言葉を紹介します。信頼は勇気を生むのです。そして勇気が希望を育み、希望が信念を創造し、信念が行為を生み出す。小さな信頼が、雪だるまのように少しずつ大きくなり、それが勇気になり、希望になり、信念になり、そして行為・行動になるということです。ですから、まずは、信頼が始まりです。

  
  
  
 h21.1.22
  新年の決意を区間に引き継いで

     人生は、駅伝を一人で走るようなもの


 いよいよ新年が始まりました。年の初めの新年は、学校ではそれぞれの学年にとって「まとめの時期」にあたります。とりわけ3年生には中学校生活最後の時であり、自己の進路を決定する大切な日々です。全てのことに悔いの残らないよう、全力を出し切ってくれることを願っています。また、1、2年生にとっては、進級を前にして、基礎をしっかり固め、充実した生活を送らなければなりません。4月1日から、「本当の3年生」になれるのか、「本当の2年生」になれるのか。大事なときです。
 さて、今年も1月の2日・3日に、『箱根駅伝』が行われました。正式には「第86回・東京箱根間往復大学駅伝競走」というそうです。ずっと、テレビ前で実況中継を見ていた人も少なくないのではないでしょうか。各校の出場選手の誰もが、一生
懸命にがんばって走っており、今年も数々の感動のドラマが見られました。また昨年11月には、舎人陸上競技場を会場に、足立区連合駅伝がありました。本校から出場した男女の両チームも頑張り、ともに上位入賞をしてくれたのも、まだ記憶に新しいことです。
 ある人が「人生とは、駅伝を一人で走るようなもの」といっていました。どういうことかというと、自分で努力して走った第1区のタスキを自分で受け取り、次の第2区も自分で走るということです。1年間を駅伝の区間にたとえれば、1月は1区、2月は2区。各月が駅伝の各区にあたるのです。今月(今日)がんばれば、その分、来月(明日)のレースには余裕ができます。自分の可能性を信じ、目標を大切にして、自分のペースを整えてゴールに向かって意欲的な生活を送るように努力する、ということです。みなさんはどう思いますか。
 あるいは、次のように考えるも良いかもしれません。3年生は1年下の2年生に、2年生は1年生に、西中の伝統という「襷」を、受け渡す。これもまさに、駅伝ですね。こう考えてもいいです。どうぞ、3年生は立派な襷を、後輩に引き渡してください。後輩の方をポンとたたき、「がんばって」と一声かけて、襷を渡してくれると良いですね。
 「人生とは、駅伝を走るようなもの」
 年の始めにあたり、皆さんには「今年こそは」と、心に期した抱負をもってほしいと思います。「夢」は願えば叶うのです。自分にとって、本当に必要だと、真剣に思うならば、叶うのです。そして、「夢は逃げない」のです。逃げるのは、残念ながら、自分なのです。あきらめてはいけない。
 先ほどの駅伝に置き換えれば、今月は第一区のスタート。新年の決意を新たに、翌月の第2区に引き継いで、この1年を、元気に、力強く、進んでいきましょう。
 なお、今年の3月21日には、東京の全区市町村の2年生を対象に行われる、初めての「中学生東京駅伝大会」があります。先月の学校だよりにも書いてありますが、本校からも3名の選手が、この大会の足立区選抜チームに参加することになっています。本校選手の健闘と、東京チームの健闘を祈ります。今、西中には、背中からしっかりと『風が強く吹いている』ようです。
 
 
 
h21.12.18
   この一年を振り返ろう

    過ちては、すなわち改むるにはばかることなかれ

 早いもので、今年ももう12月半ば。学校は間もなく冬休み。さて、この休みは、年末・年始にもあたり、一年間の区切りとなるときです。この休みを充実した生活で有意義なものとし、新たな年に向って「希望」と「決意」をかため、それぞれが自分の一歩を前進させて欲しいと思います。「一歩、前へ」です。
 さて、年末・年始は、とかく世の中が慌ただしいとともに、寒さも厳しく、体調や生活のリズムが乱れがちです。皆さんは、きっと充実した冬休みを過ごすことと思いますが、特に次の3つについて努力を期待します。
 まず、身のまわりの整理・整頓をし、一年間のしめくくりをすること。「机上の整理は、頭の整理」。部屋の掃除やノート、テスト、作品などの整理をしながら、この一年、意欲的に学習に取り組んできたかどうか、健康に気をつけ体を鍛えてきたかどうか、友情を育て、よく責任を果たしてきたかどうか、自分の生活の様子を振り返ってみてください。※整理と整頓のちがいは分かりますか?
 第二は、よい家庭人、あるいは、よい地域の一員であってほしいということです。休み中は、お使い、掃除、調理、物の修理など家事にも進んで取り組みましょう。あるいは町会等の清掃活動への参加も、アイディア年賀状づくりに凝ってみるのもいいでしょう。自分の力をまわりに向って積極的に役立ててください。生活体験をいっそう豊かにすることになります。
 第三には、年末・年始の過ごし方を学んで欲しい。日本固有の、あるいは各家庭の年越しの習わしがあるかと思います。鏡もちや七草がゆの由来を調べたり、お客様への接待の仕方や新年のあいさつを身につけることも良いでしょう。新しい決意を書き初めにかく、日記帳をつけ始めることなどもよいことです。そして、家族で自分の夢を語り、進路について話し合う機会にして欲しいものです。
 今年の冬休みこそ強い決意で充実した日々を送り、新たな年に向って一歩前進してください。
学校は一般の社会の人よりもひと足先に冬休みに入ります。そこで正月までの期間に、ゆっくりと今年一年の反省をすることができるのです。正月は、誰もが「一年の計は元旦にあり」ということわざのとおり、新しい気持ちで生活をあらためていこうとします。しかし、それは今までのことを忘れ去って、あるいは無視してはじめても、決してうまくいくものではありません。反省とは、自分の失敗やまちがいを認め、いさぎよく改め、次からは同じ間違いをくりかえさないと誓うことです。「過ちては、すなわち改むるにはばかることなかれ」という言葉があります。
 新しい年を迎えるにあたり、学校生活や家庭での生活の楽しい想い出をまず振り返り、次に自分の努力のあとを評価し、そしてしっかりと新年の抱負を固めて下さい。そして、家族の皆さんとよい年をお迎えください。本年一年を表す漢字として、京都・清水寺の貫首さんが、三年生の皆さんも行ったあの清水寺奥の院で揮毫されました。今年は「新」でした。皆さんも、心あらたに、新しいステージを迎えましょう。学校も、新生西中。自分をチェンジ、授業をチェンジ、学校をチェンジ。そして、チェンジはチャンス。
 君のチェンジをチャンスに変える。西中のチェンジをチャンスにかえる。



 h21.11.18
    実りの秋・成熟の秋

     第35回文化祭を終えて

 文化祭当日の朝は、前夜の嵐のような風雨が嘘であるかのような秋空でした。私は、雪を頂く富士山を通勤電車から見ながら、学校に着きました。当日も、朝早くから学級や学年の合唱練習が繰り広げられており、校庭で歌っている生徒達を富士山も祝福してくれているかのような朝でした。文化祭実行委員長の岡本奈々さんをはじめ、実行委員会の生徒の皆さんで、準備に準備を重ね、当日を迎えることとなりました。
 10月中は、各学級で合唱コンクールを目指した朝練習や放課後練習で、力強い声や澄んだ歌声が美しいハーモニーとなって学校中に響いていました。一日のはじまりをすがすがしいものにしてくれていました。各学年とも優勝を目指して熱の入った取組みができていました。一人だけで歌うのと違って、すばらしい合唱をつくり上げるためには、全員が自分のパートをしっかり覚えて他のパートと一体となるようにすることが大切です。一生懸命に自分のメロディを歌っていると、隣の友達の歌声と重なり合い、声の幅が太く大きくなっているように感じることがあります。まるで、立体的な音響設備の中にいるような気持ちになります。そんなときこそ「クラスのみんなががんばっているのだ」と実感する瞬間であり、こころが打ち震えるような感動を味わえるときだったのだと思います。一人一人が自分の役目を果たすことによって、全体への貢献と個人の充実感を高めることができた貴重な行事でした。練習では競い合い、本番では称え合うのが合唱コンクール。この合唱の中から生まれてくる友達の強い絆は、これからの学校生括や人生で皆さんの最高の宝物の一つとなるはずです。辛いときや悲しいときの励みとして、記憶の底に深く刻んでおいてください。重厚な響きを奏でてくれた吹奏楽部、心のこもった家庭科の作品や技術科の作品、心温かい美術科の「絵本」、緻密な社会科新聞・理科新聞等、展示作品も素晴らしかったです。また、今年は本校が創立して35年目にあたります。PTAで作っていただいた「年表」も、西中の輝かしい歴史を知ることができました。

 この季節は「実りの秋」とか「成熟の秋」といわれます。
 芽吹きの春から、うだるような暑い夏を過ぎ、はじめて様々な果実が甘みを加え、成熟していくのです。これは、学校でも同じで、4月からの学習や学校生活で学んできたことを、夏の暑い中、さらに学び、鍛錬し、深めてきました。秋には、各種の大会があったり、発表会があるのは、暑い夏をこえて実りの秋に至ったからのなです。

 10月末、西新井中の先生方は新潟県南魚沼市へ、農作物の収穫体験に行ってきました。紅葉、真っ盛りの八海山を見ながら、大根や長ネギを畑に入って収穫をしてきました。農薬は一切使ってないという畑には、緑がいきいきと輝いていました。10月27日の皆さんの給食は、その収穫した大根と、長ネギを、なめこ汁に使っていただきました。味は、どうだったでしょうか。先生方の汗の結晶の野菜は美味しく食べてもらえたでしょうか。「八海山」という山も秋本番で、山肌はとてもきれいな錦の色合いでした。いつまで見ていても飽きない日本の紅葉を堪能することができました。「実りの秋」とか「成熟の秋」でした。



 h21.10.13
   
   35年の歴史に感謝
             輝かしい歴史を受け継いで

 昭和50年4月、本校は足立区28番目の学校として誕生しました。したがって、今年は創立35周年目にあたります。35年という年を皆さんは、どう思うのでしょうか。創立の年に15歳で卒業された方は、既に50歳になられます。生まれた赤ちゃんも35歳という中年と言われる大人になっています。社会に関心を持っている人は、当時我が国はまだ高度経済成長期にあり、同時に各地で公害問題がニュースになっていた頃だと思う人もいるかもしれません。
 私は、当時の様子がわかればと佐野にある足立区郷土博物館に行ってきました。そして、昭和50年代の様子のわかる写真などを探しに行ってきました。 私が教師として教壇に立ったのが昭和51年。つまり私の教師年齢よりもさらに1年長いのです。そして私が足立区に赴任してきた年が昭和59年。西中が10周年の記念式典を開いていた年にあたります。10年目にあたる当時、西新井中は大変大きな学校でした。そして、研究活動や学習、部活動で輝かしい活躍を、足立区内はもとより全国ににとどろかせていました。すごい学校があるんだな、と外から見ていました。
 西新井中の35年を振り返ると、とても輝かしい歴史がたくさん詰まった「年表」がつくれます。当時、母体校である区立第五中学校も歴史と実力のある学校でした。しかし、当時46学級という日本一大きな学校という課題もあり、地域の皆様の力添えにより本校が誕生したのです。初代校長である水谷一昴先生以下、大変に力と勢いのある先生方が揃い、開校早々には、次の校舎増築の話が出てくるという勢いが、記念誌の座談会記録に残っています。当時の合い言葉は「日本一の学校を目指せ」で、それは足立区一でも東京一でもいけない。そんな雰囲気と文化が学校中にあったそうです。そのような様子の一端が、11月の文化祭で展示の一つとして発表されます。楽しみにしていて下さい。
 今、外壁工事、体育館耐震工事が終わり、新しい西中のスタートに立っています。多くの先輩が残してくれた伝統と歴史がある学校です。何でもできる学校です。皆さんで西中の35年の歴史を振り返り足立に西中あり、と誇れる学校づくりを今後も引き継いでいきましょう。35年に感謝です。

 
 
 
h21.9.1
  
 阿修羅像は何を語るか
      -夏休みを終えて-


 私はこの夏休み、学校で生徒の皆さんの「キラリと光るもの」をたくさん見ることができました。それは、部活動であり、学習教室であり、ボランティア活動です。夏休み以降のこれからの期間は学校生活の中でも最も充実する学期です。そのために大事な学校行事が多く組み込まれています。
    ● 9月 生徒会役員選挙そして連合陸上、
    ●10月 合唱コンクールを中心とした文化祭、マラソン大会
    ●11月 連合音楽会そして、職場体験学習。
などです。これらの行事は学年・学校全体が一丸となって取り組まなくては成功しません。各学年には役割があるのです。3年生は、合唱コンクールで後輩に見本を示すような学級・学年合唱を披露してください。このことが西新井中の伝統につながるのです。また、自分自身の進路に向けた学習にも真剣に取り組んでください。自分を伸ばすことが3年生の役割です。2年生は、本校の中堅学年として生徒会や部活動の活動でリーダーシップを大いに発揮すること。リーダーシップとは何なのかを良く考えてください。最後に1年生。皆さんの顔を見ていると、この夏を乗り超えてより中学生らしくなった感じがします。中学校3年間はあっという間に過ぎてしまいます。何事に対しても失敗を恐れず、チャレンジ精神で臨んでください。そのことが、皆さんを大きく成長させる原動力になります。
 さて、私はこの夏休みに福岡に行く機会がありました。本校水泳部・全国大会の応援です。選手が県立総合プールで大活躍する様子を目の当たりにしてきました。さて、帰りの飛行機までに時間があったので、福岡市の隣、太宰府市まで足を伸ばしました。そこでは上野の国立博物館でも開かれていた「国宝・阿修羅展」が、場所を太宰府市の九州国立博物館に移して開かれており、上野では4時間待ちで見ることが出来なかった阿修羅像を見学して来ました。三面六臂(さんめんろっぴ)といって3つの顔に6つの腕のある仏像です。
 よく見ると、3つの顔のうち正面の顔は、涙をためているようにも見えました。向かって左の顔は、下唇をかんでいます。悔しがっているような思いつめているような顔です。右の顔は何かを悟ったような大人っぽさ。これはあくまで私の見方で、美術史的には、間違った見方かもしれません。しかし、私はしばらく見入っていました。そもそも「阿修羅」というのは戦いの神様で、多くの戦いや、命を傷つけるようなそんな過去をたくさん持っている神様なのでしょう。しかし、この阿修羅像は憎しみとか強さではなく少年のようで、その過去に後悔や反省、決意、悟りというものが表れているように、私には思えました。もしかしたら、これは私たち人間そのものなのかな、とも思えました。
 聞くところによると最近は、「阿修羅ファンクラブ」というのも出来ているようで、この先、皆さんも見る機会があるかと思います。そのときは「3人」の阿修羅は、皆さんに何かを語ってくれるかもしれません。皆さんは何を聞くことが出来るのでしょうか。



h21.7.15
  
 「学ぶ力」を身に付けよう
      -前期前半を終えて-


 6月の学校公開日には、保護者や地域の方たちが多数来校されました。「みんな、一生懸命に授業に取り組んでいて、感心しました」「どのクラスでも先生の話を静かにきちんと聞けていて、すばらしい」など、多くのお褒めの言葉をいただきました。しかし、気になることもあります。みなさん一人一人の学習に対する取り組みについてです。改善するところはないでしょうか。みなさんは、授業を受けただけで、勉強はわかったという気持ちになってはいないでしょうか。先生方は、よりわかりやすい説明をしよう、より効果的な指導をしようと、毎時間工夫しながら授業を行うように努力をしています。しかし、先生の力だけで力がつくものではありません。みなさん自身が、自分の「学ぶ力」を高めていかなければなりません。その相乗効果ではじめて力が定着し、向上していくのです。「学ぶ力」すなわち「学習に向かう姿勢」です。
 ①仕方なく勉強するのではなく、積極的に学習に取り組む姿勢です。予習と復習を繰り返し、授業中はこの時間の中で自分のものにしてしまおうという気持ちで臨むのです。受け身ではいけません。
 ②わからないことはそのままにしない、という姿勢も大切です。わからないことがあったら調べたり先生や友だちに聞くなど、解決しようとしなければなりません。
 ③最後に、学んだことを日常の生活に生かそうとする姿勢も必要です。義務教育である中学校で学ぶ内容は、社会に出て無駄になることは何一つありません。学んで得た知識や技能を生活の中で確かめたり生かしたりしてみましょう。7月までの前期前半の自分の学習への取り組み状況を振り返り、不十分だと思う点を、この休み中に改善するよう努力してほしいと思います。
 夏休みにはチャイムがありません。自分で自分のチャイムをならさなければなりません。それは自分で自分の生活をコントロールできる大切な期間なのです。自分のペースですすめることが出来る貴重な期間なのです。
 自分の生活は自分で設計し、自分で管理するのです。しっかりと計画を立てて、自分で自分の生活をコントロールしていくのです。「根性」や「我慢」も必要です。よく聞く言葉ですが、1ブラ 2ゴロ 3テレビ で夏休みが終わってしまってはむなしい。計画がなければ、生かすことができないのが夏休み。だからいいのです。生かせ、夏休み。試そうガッツ。



h21.5.22
  縦糸と横糸 どちらが大事?
      西陣織体験学習に参加して

 3年生と一緒に関西へ修学旅行に行ってまいりました。そしてその最終日、私は生徒と一緒に西陣織の体験学習に参加しました。本来、西陣織というのは、完成までには20を越える複雑な行程があり、それぞれの工程にはそれぞれの専門家によって高度な技術と豊富な知識が要求されるといわれています。織物自体も大変高価なものです。私たちが体験させていただいたのは、その基本中の基本で、織物の成り立ちを学ぶというものでした。
 私達は、はた織機の前に座り、左右の木のペダルを交互に上下させ、横糸(よこいと)を通す杼(ひ=糸をまきつけたもの)を、右から左、左から右へと通し、布を織っていきます。縦糸は、はじめから機械にセットされています。はた織りの経験がある人は知っているかと思いますが、同じ糸でも、縦糸と横糸は全く違うものです。縦糸は、いかにも頑丈そうで、色も柄もない、単なる白い糸です。次に、杼(ひ)に巻かれている横糸は、きれいな3色の柄をよってつくられた糸で、余り丈夫そうな糸ではありません。この縦糸と横糸を使い布を織っていくのです。ですから布の柄や模様をつくるのは、横糸なのです。一方の縦糸は、芯としての役割をはたします。織りながら、そうか、糸にも役割があるのか。そんなことを思いながら、作業をしてきました。
 さて、皆さんはこの縦糸と横糸、どちらが大事だと思いますか。布を織るには、まず縦糸がセットされています。横糸から織ることは、ありません。縦糸が基本です。しかし、この芯になる縦糸は、布が完成すると下に隠れてしまいます。見えなくなってしまうのです。布の命である柄とかデザインは、もう一方の横糸がつくっていくのです。
 さて、ここで大事なのは縦糸なのでしょうか、横糸なのでしょうか。皆さんはどう考えますか。もちろん両方ともなくてはなりません。しかし、あえて言えば、どちらが大事なのでしょうか。そんなことを考えてました。
 デザイン、つまり模様をつくるのは横糸で、縦糸は隠れてしまいます。ちょうど樹木の根が地下に埋もれて見えないのと同じです。花を見に行くときに、誰もが花を見て、きれいに咲いたなあ、と感じます。花を見に行き、「すごい根だね」ということは言いません。本当に大事なものの姿は見えにくいのです。そして地味なのです。縦糸が見える布というのは滅多にありません。私たちが目にしているのは、ほとんど横糸です。ですが、見えない縦糸も、実はなくてはならないものなのです。そんなことを考えながら西陣織体験学習を行いました。



h21.4.6
平成21年度 さらなる西中の発展を願って
        Fight   Fair   For you 


 今年の始業式と入学式には、校庭の桜がしっかりと花を満開に咲かせ、素敵な彩りを添えてくれました。また、昨年度のフラワーボランティア活動で植えてくれた玄関の寄せ植えプランターも、勢いの良い葉が伸び、間もなく満開を待っています。さらに正門横の畑には、200球のチューリップで、西中の二文字が間もなく表れると思います。楽しみにしましょう。
 さて、年度のはじめに、次の三つの指針を示したいと思います。
 まずはじめは、「いつも元気で、前向きに、奮闘・努力をしていきましょう」ということです。英語で言うと、ファイト(Fight)という言葉で表せると思います。部活動でも、お互いに良くこの言葉を掛け合っていますね。「ファイト!」とか「西中、ファイト、オー」等々。皆さんには、いつも元気で何事にも挑戦してほしいと思います。勉強でも部活動でも、しっかりがんばってほしいと思います。そして、明るく元気にすることで、さらなる元気も生まれてくるのです。しかし、時には、誰でも元気がなくなったり、自信がなくなったりする時があるものです。「ファイト」の意味には、戦うという意味もあります。元気のなくなった時には、自分にも戦い打ち克ってほしいと思います。いつも元気で前向きな明るい生徒でいてください。元気であればなんでもできるし、願いもかなうでしょう。
 第二は、「正々堂々真っ直ぐに、常に正しく規律を守っていきましょう」ということです。英語で言うと、フェア(Fair)という言葉になるでしょう。フェアプレイのフェアです。
皆さんには、いつも正々堂々とした生徒であってほしいと思います。弱いものいじめをしたり、人の悪口を言ったりすることは、して欲しくありません。フェアであって欲しいと思います。また、よいことはよい、悪いことは悪いという善悪の判断を、きちんとつけることができる生徒になって欲しいと思います。学校にはルールがあります。そして、あなたに聞きます。学校の規則、校則は、誰のためにあるものなのでしょうか。校長先生が西中の沢山の生徒に聞いています。例外なく「それは、僕たち、私たちのためにあるものです」と答えています。そのとおりです。社会や学校の一員として、ルールを守り、気持ちよい生活をすごしましょう。
 第三は、「人のために尽くすことのできる人になりましょう」ということです。昨年も頑張っていたボランティアもそうです。委員会も、係活動もそうです。それらは、人のために、あるいは、あなたのために役立ちたいと、頑張っているのです。フォーユー(For you)です。
 学校で勉強するということは、将来社会のために役立つ人になるためなのです。人のために役に立つ人になることなのです。そのためにも、身近な人のために尽くすということは、とても大切です。親のために尽くす、友達のために尽くす、学校の名誉のために尽くすことのできる人になってください。そして将来は社会のために尽くすことのできる人になってください。人のために尽くせる人になってください。そこでまずは、身近な人に思いやりの気持ちをもって生活してほしいと願っています。フォーユー。
 「Fight(ファイト)」「Fair(フェア)」「For you(フォーユー)」この3つの言葉のかしら文字は、すべてFです。覚えやすいかと思います。
ファイト、フェア、フォーユー。しっかり、身に付け、この一年を実り多い年にしましょう。